理事長の部屋

最終更新日:2019.02.15

平成31年度施政方針

 平成31年石巻地区広域行政事務組合議会第1回定例会に、「平成31年度

一般会計予算並びに諸案件」を提案するにあたり、本組合の運営に取り組む施

政の方針を御説明し、議員並びに圏域住民の皆様の御理解と御協力を賜りたい

と存じます。

 さて、東日本大震災の発生から間もなく8年が経過しようとしております。

国の復興創生期間も残すところ2年余りとなり、組織市町では、最優先課題に

掲げる住まいの再建や、各種産業基盤整備などの完了に向け、終盤を迎えてき

ておりますが、これまで以上に、創造的復興と持続的発展を見据えた地域づく

りに、最大限の力を注いで取り組むこととしております。平成31年度も引き

続き、「震災復興基本計画」を着実に実行していく必要がありますことから、

財源につきましても重点的に配分し、徹底した歳入確保と歳出削減に取り組ま

なければならない状況であります。本組合といたしましても、石巻圏域の共同

処理事業について、事業内容を精査し経費の節減に努めながら、効率的な事業

運営に取り組んでいく所存であります。

 それでは、石巻圏域の今後を見据えつつ、平成31年度本組合の共同処理事

業を実施するにあたり、重点的に取り組むべき施策の考え方について、御説明

申し上げます。

 初めに、ふるさと市町村圏基金事業でありますが、圏域一体感を図る文化振

興事業としての「おにぎり大使派遣事業」、「社会教育施設等の無料開放事

業」、「圏域紹介事業」及び「ふるさと探訪ツアー事業」の4つの事業を今年

度も実施してまいります。

 石巻圏域の将来を担う小中学生の人材育成として、圏域の歴史、伝統、文化

を学び、さらに国際性、主体性、自主性を育成し、生き生きと活動できる場を

提供してまいります。また、東日本大震災から復旧復興が着実に進んでいる様

子を圏域内外に発信し、体感していただき、地域に密着した事業を柔軟な姿勢

で積極的に進めてまいります。

 次に、介護認定審査事業でありますが、人口減少や高齢化が進展する中、高

齢者一人ひとりが住み慣れた地域で可能な限り自立した生活ができるよう支援

するため、本事業の果たす役割は重要なものとなっております。介護認定審査

会につきましては、多様化する認定審査を円滑に進めるために、適正かつ迅速

な審査判定が求められていることから、今後も引き続き組織市町と連携しなが

ら情報を共有して効率的な介護認定審査会の運営に努めてまいります。

 また、平成31年度は、介護認定審査会委員の改選期でもあり、公平、公正

で迅速な審査判定を行うため、審査会委員研修の開催や一定期間の審査会の委

員増員期間を設け、体制充実を図ってまいります。

 次に、圏域住民の生活に直結する重要な事業であります清掃部門の石巻広域

東部、西部衛生センター及び石巻広域クリーンセンターの3施設の運営であり

ますが、東西両衛生センターにつきましては、稼働以来23年が経過し、当初

に比べ、し尿の処理量及び性状が大きく変わってきていることから、長期整備

計画に沿った整備が重要となってまいります。今後も計画的な整備を進めると

ともに、両衛生施設の統合及び延命化について、継続して検討を進め、施設の

効率的な安定稼働を図るとともに、衛生環境の向上に努めてまいります。

 また、クリーンセンターにつきましては、長期整備計画に基づき施設整備を

実施することで、施設の安定稼働を図っておりますが、一方で、主要設備であ

る溶融炉本体等の老朽化が懸念されております。

組織市町の財政運営が厳しい中、今後のクリーンセンターの整備運営等につい

ては、より効率的な施設整備運営及び延命化を進めるため、平成31年度に循

環型社会形成推進地域計画、事業手法検討調査及び長寿命化総合計画を策定し、

組織市町との連携を図りながら、具体的な施設の維持管理経費の節減に向けて

検討を進めてまいります。

 次に、常備消防でありますが、火災、救急、救助をはじめ、風水害や震災等

の各種災害の対応と、火災予防に係る出火抑止対策に万全を期すため、各種訓

練及び研修を通して職員の人材育成を推し進め、消防技術の更なる向上を図る

とともに、更新計画に基づく消防車両の更新など、消防装備の維持強化に努め

てまいります。組織の体制につきましては、将来的な消防の広域化や高機能消

防司令センター共同運用に向けた体制を構築するため、消防本部「警防課」を

「警防課」と「指令課」に分け、現在の3課を4課とする組織の再編を行いま

す。

 さらに、東日本大震災の教訓を踏まえ、救助体制強化と緊急消防援助隊応援

及び受援に係る体制の充実を図るため、石巻東消防署に救助隊を1隊増隊する

とともに、石巻消防署に高度救助隊を配置することとしております。

 また、2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピックを迎える

にあたり、石巻圏域におきましてもインバウンドの増加が見込まれることから、

外国人からの119番通報に対応するため、通訳センターを介した三者間同時

通話システムを導入するとともに、聴覚や発話に障害のある方のための新たな

緊急通報システムを導入し、迅速な災害出動体制の強化を図ってまいります。

 次に、東日本大震災で被災した消防庁舎の復旧状況につきましては、雄勝出

張所新庁舎が平成30年度末に完成し、運用開始予定としており、北上出張所

にあっては、平成31年度中に庁舎が本復旧する見込みとなっております。

 また、雄勝出張所庁舎の復旧に併せまして、組織市町の行政区域を基礎とし

た消防署管轄区域の見直しを行い、組織市町及び関係機関との連携をより強固

なものとし、管内消防体制の更なる充実強化を図ってまいります。

 以上が、平成31年度における広域行政事務組合としての主な取り組みの概

要であります。

 議員各位並びに圏域住民の皆様におかれましては、広域行政事務組合の運営

に対し、一層の御理解と御支援を賜りますよう、衷心よりお願い申し上げまし

て、私の平成31年度の施政方針とさせていただきます。