理事長の部屋

最終更新日:2020.02.14

令和2年度施政方針

 令和2年石巻地区広域行政事務組合議会第1回定例会に、「令和2年度一般

会計予算並びに諸案件」を提案するにあたり、本組合の運営に取り組む施政の

方針を御説明し、議員並びに圏域住民の皆様の御理解と御協力を賜りたいと存

じます。

 さて、東日本大震災の発生から間もなく9年が経過しようとしております。

国の「復興・創生期間」の最終年度となり、組織市町では、復興完結に向け残

された事業の更なる加速と持続的発展を見据えた地域づくりに、最大限の力を

注いで取り組むこととしております。令和2年度も引き続き、復興事業完結と

ともに復興後の持続可能な地域づくりに向けた各種事業を着実に実行していく

ための財源を重点的に配分し、徹底した歳入確保と歳出削減に取り組まなけれ

ばならない状況であります。本組合といたしましても、石巻圏域の共同処理事

業について、事業内容を精査し経費の節減に努めながら、効率的な事業運営に

取り組んでいく所存であります。

 それでは、石巻圏域の今後を見据えつつ、令和2年度本組合の共同処理事業

を実施するにあたり、重点的に取り組むべき施策の考え方について、御説明申

し上げます。

 初めに、ふるさと市町村圏基金事業でありますが、圏域一体感のある文化振

興事業としての「おにぎり大使派遣事業」「社会教育施設等の無料開放事業」、

「圏域紹介事業」及び「ふるさと探訪ツアー事業」の4つの事業を今年度も実

施してまいります。

 石巻圏域の将来を担う小中学生の人材育成を目的として、主体性、自主性を

育み、国際化に対応した人材の育成、並びに圏域の歴史、伝統、文化を学び体

験する場の提供をしてまいります。また、東日本大震災から復旧復興が着実に

進んでいる様子を圏域内外に発信し、体感していただき、地域に密着した事業

を積極的に進めてまいります。

 次に、介護認定審査判定事業でありますが、人口減少や高齢化が進展する中、

高齢者一人ひとりが住み慣れた地域で可能な限り自立した生活ができるよう支

援するため、本事業の果たす役割は重要なものとなっております。介護認定審

査会につきましては、多様化する認定審査を円滑に進めるために、適正かつ迅

速な審査判定が求められていることから、今後も引き続き、介護認定審査会委

員の協力のもと組織市町と情報共有を図り連携しながら効率的な介護認定審査

会の運営に努めてまいります。

 次に、圏域住民の生活に直結する重要な事業であります清掃部門の石巻広域

東部、西部両衛生センター及び石巻広域クリーンセンターの3施設の運営であ

りますが、東西両衛生センターにつきましては、昨年11月に「し尿処理施設

整備統合方針」を作成し、令和5年度を目途に石巻広域東部衛生センターへ統

合する方針に決定したところであります。令和2年度は、し尿処理施設の統合

に向け、西部衛生センターについては、必要最小限の整備を、また、東部衛生

センターについては継続的な施設利用のための整備を計画的に実施し、今後の

施設維持管理の効率的な安定稼働を図るとともに衛生環境の向上に努めてまい

ります。

 次に、クリーンセンターにつきましては、令和2年度は、ボイラー及びター

ビンの安全管理審査を受ける年となるため、長期整備計画に基づき主要施設の

整備及び法定点検を適切に行い、施設の保全、安定稼働及び環境保全に努めて

まいります。

 また、現在、整備方針調査業務を委託し、事業手法の検討や長寿命化総合計

画等を策定しているところでありますが、近年、クリーンセンターに搬入され

る一般廃棄物の量は、依然として高い水準で推移しており、施設稼働率も約9

5パーセントと高い状態が続いております。このような状態は、施設の老朽化

が懸念される中で維持管理の大きな負担となっているため、施設の延命化の検

討に当たり、組織市町とより一層の連携を図り、具体的な施設整備のあり方を

検討するとともに、維持管理経費の節減に努めてまいります。

 次に、常備消防でありますが、火災、救急、救助をはじめ、風水害等の各種

災害への対応と、火災予防に係る出火抑止対策に万全を期すため、消防学校等

での研修を通して職員の人材育成を推し進め、職員の資質の向上を図ってまい

ります。また、女性消防吏員の活躍推進に向けた取り組みとしましては、消防

大学校女性活躍推進コースへ女性消防吏員1名を入校させる等、新たな取り組

みを実施し女性消防吏員のキャリア形成と職域拡大を図り、組織の活性化を推

進してまいります。

 消防装備につきましては、更新計画等により消防車両3台の更新や高機能消

防指令センターのシステムの更新、東松島消防署への高所監視カメラの新たな

設置など、装備の充実に努めるとともに、多様化する災害対応への機能強化を

図ってまいります。

 消防庁舎の整備につきましては、令和元年度末に河北消防署北上出張所、令

和2年度には女川消防署の庁舎がそれぞれ本復旧する見込みであり、東日本大

震災で被災した消防庁舎すべてが本復旧することとなります。また、老朽化し

た東松島消防署庁舎につきましても、令和2年度中の新築移転を目指し新庁舎

の建設が進められているところであります。

 消防力の強化につきましては、新たにドローンの運用等による災害時の情報

収集能力向上を図るとともに、近年全国各地で発生している大規模な自然災害

に対応するため、緊急消防援助隊の応援及び受援に係る体制整備を図ってまい

ります。

 また、東京オリンピック競技大会開催に係る消防・救急体制の整備や12年

ぶりに石巻市を会場に開催される宮城県林野火災防ぎょ訓練の運営など、各種

事業の対応につきましても、組織市町及び関係機関と連携し、万全の態勢で適

切に対応してまいります。

 以上が、令和2年度における広域行政事務組合としての主な取り組みの概要

であります。

 議員各位並びに圏域住民の皆様におかれましては、広域行政事務組合の運営

に対し、一層の御理解と御支援を賜りますよう、衷心よりお願い申し上げまし

て、私の令和2年度の施政方針とさせていただきます。